構成文化財紹介
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1.ゆず畑の景観
中芸地域の代表的な農産物であるゆずは、林業に代わって地域を支えた産業です。栽培面積は213 ヘクタール、生産量は3,000 トンを越え日本一を誇ります。中芸地域の山間部を中心に、ゆず畑が広がっています。
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2.ゆず料理
ゆずは1000年以上日本人に親しまれてきた和食には欠かせない食材です。 中芸地域では、家庭料理としても食されていて、宴会料理にも欠かすことができません。 ゆず寿司、ゆず酒など、ゆずを使った様々な料理があります。
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3.柚子の古木
北川村島集落に現存する樹齢300 年を越える実生ゆずの古木。 ゆずが、この地方で古くから人々の暮らしの中にあったことがわかります。
北川村指定天然記念物
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4.柚子搾汁機(ゆずさくじゅうき)
ゆずの産業化に先駆けて取り組んできた中芸地域では、柚子搾汁機も他地域に先んじて開発されてきました。柚子搾汁機はゆずの森加工場で展示されています。
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5.ゆずはじまる祭り
ゆずの収穫はじめを祝い、収穫の安全を祈願する馬路村のお祭りです。毎年、10月下旬頃に開催しています。ゆず新酢特価販売やゆずづくしの料理、ごっくん馬路村の飲み放題、 「馬路温泉」「やなせの湯」のゆず風呂無料開放など、この一日、村でできる精一杯のおもてなしをします。
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6.慎太郎とゆずの郷祭 (しんたろうとゆずのさとまつり)
北川村で毎年10月に開催されます。 ゆず栽培を奨励した同村出身の中岡慎太郎の顕彰とゆずの収穫を祝う祭りです。
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7.中岡慎太郎宅跡(なかおかしんたろうたくあと)
ゆず栽培を奨励した中岡慎太郎の生誕地。復元された生家があります。
高知県指定史跡
北川村指定史跡 -
8.中岡慎太郎遺髪埋葬墓地 ( なかおかしんたろういはつまいそうぼち)
慎太郎の遺髪墓地の左となりに妻の 兼 、そのとなりに父・ 小傳二 、母・ウシの墓石が並んでいます。
北川村指定史跡
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9.千本山(せんぼんやま)
良材として知られた魚梁瀬杉の天然林のほとんどが伐採されましたが、千本山には、樹齢200~300年になる原生林が残され、魚梁瀬杉の巨木とともに、原始的景観を見ることができます。千本山登山口よりハイキングも楽しめます。
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10.藩政期の植林地(はんせいきのしょくりんち)
江戸時代、土佐藩は魚梁瀬山を土佐十宝山の「名上」として、天然林の管理・伐採を行いました。 一方、森林保護の目的で杉の植林を積極的に行い、現在も植林地には杉の巨木が残っています。
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11.朝日出山の大杉(あさひでやまのおおすぎ)
中芸地域の名木のひとつ。推定樹齢800年の杉の天然木。朝日出集落には、イネとゆずの収穫を感謝する祭りがありました。
馬路村指定天然記念物
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12.材木流し〈絵馬〉(ざいもくながし) 多気坂本神社(だけさかもとじんじゃ)
中芸地域の林業の長い歴史の中で、森林鉄道が敷設される以前は、安田川・奈半利川を利用して材木を運びました。 当時の奈半利川の様子が絵馬に描かれ、多気坂本神社に奉納されていました。
奈半利町指定有形文化財(美術工芸品)
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13.材木流し〈絵馬〉(ざいもくながし) 三光院(さんこういん)
森林鉄道が敷設される以前は、安田川・奈半利川を利用して材木を運んだ。当時の様子が絵馬に描かれています。
奈半利町指定有形文化財(美術工芸品)
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14.木材生産用具 〈馬路村郷土館(うまじむらきょうどかん)〉
鋸、ちょうな、はつりちょうな、など人力により伐採が行われていた時代、山で木を伐り、集め、運ぶ仕事には欠かせない道具類。なかでも、土佐鋸は道具として洗練され、全国に流通しました。
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15.金林寺薬師堂(こんりんじやくし どう)
良材の産地として古くから知られている魚梁瀬の木材を使って、弘法大師空海が創建したと伝えられる金林寺。薬師堂には、一夜建立の伝説があります。
国指定重要文化財(建造物)
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16.北寺所蔵仏像群(きたでらしょ ぞうぶつぞうぐん)
寺院建築のため、空海は安田川上流より木材を流しました。途中で停留した木材から仏像群を造り、その場所に北寺を建立したと伝えられています。木造薬師如来坐像(写真)、木造釈迦如来立像、木造菩薩形立像(1~5号)、木造持国天立像、木造増長天立像の9躯です。
国指定重要文化財(彫刻)
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17.旧魚梁瀬森林鉄道施設エヤ隧道(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ えやずいどう)
川の屈曲部分に張り出して屋根の岩盤を貫いてつくられた石造隧道で、川に沿ってゆるやかにカーブしています。明治44年建造の隧道には川下から順に番号がつけられており、この隧道には「Ⅰ」の刻印があり、開通当時の証明をしています。
国指定重要文化財(建造物)
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18.旧魚梁瀬森林鉄道施設バンダ島隧道(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ ばんだじまずいどう)
明治44年建設。ゆずロード上にある切石砂岩の空積みでつくられた石造隧道。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交流を生み、暮らしを支えた森林鉄道遺構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
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19.旧魚梁瀬森林鉄道施設オオムカエ隧道(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ おおむかえずいどう)
明治44年建設。ゆずロード上にある切石砂岩の空積みでつくられた石造隧道。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交流を生み、暮らしを支えた森林鉄道遺構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
近代化産業遺産群 -
20.旧魚梁瀬森林鉄道施設明神口橋(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ みょうじんぐちばし)
安田川本流を渡るためにつくられた橋は、大正時代に桧材の木造で建造されましたが、機関車の導入に伴い、昭和4年に現在の鉄骨トラス橋に架け替えられました。軌道部分は撤去されましたが、今もトラス橋、橋台とも、当時の姿を残しています。
国指定重要文化財(建造物)
近代化産業遺産群 -
21.旧魚梁瀬森林鉄道施設釜ヶ谷桟道(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ かまがたにさんどう)
昭和2年建設。ゆずロード上にある現存する森林鉄道遺産唯一の石造アーチ橋。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交流を生み、暮らしを支えた森林鉄道遺 構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
近代化産業遺産群 -
22.旧魚梁瀬森林鉄道施設釜ヶ谷橋(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ かまがたにばし)
大正15年建設。ゆずロード上にある安田川支流の釜ヶ谷谷川に架かる単線仕様の上路式鋼製単一形桁橋。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交流を生み、暮らしを支えた森林鉄道遺構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
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23.旧魚梁瀬森林鉄道施設平瀬隧道(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ ひらせずいどう)
明治44年建設。ゆずロード上にある切石砂岩の空積みでつくられた石造隧道。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交流を生み、暮らしを支えた森林鉄道遺構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
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24.旧魚梁瀬森林鉄道施設五味隧道(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ ごみずいどう)
安田川沿いで、馬路村の出入口ともいえる場所にある石造隧道です。明治44年の安田川線開通時に建造されました。隧道の上に自動車道を通すため土で埋められましたが、川上側にアーチ形の坑門と約5.5メートルが現存しています。
国指定重要文化財(建造物)
近代化産業遺産群 -
25.旧魚梁瀬森林鉄道施設落合橋(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ おちあいばし)
大正14年建設。ゆずロード上にある安田川に架かる単線仕様の上路式鋼製単二形桁橋。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交流を生み、暮らしを支えた 森林鉄道遺構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
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26.旧魚梁瀬森林鉄道施設河口隧道(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ こうぐちずいどう)
大正4年建設。ゆずロード上にある切石砂岩の空積みでつくられた石造隧道。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交 流を生み、暮らしを支えた森林鉄道遺構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
近代化産業遺産群 -
27.旧魚梁瀬森林鉄道施設犬吠橋(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ いぬぼうばし)
大正13年建設。奈半利川支流の犬吠谷川に架かる単線仕様の上路式鋼製橋梁。ゆずロード上にあります。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交流を生み、暮らしを支えた森林鉄道遺構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
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28.旧魚梁瀬森林鉄道施設井ノ谷橋(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ いのたにばし)
大正13年建設。奈半利川支流の笹ヶ瀬谷川に架かる単線仕様の上路式鋼製橋梁。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交流を生み、暮らしを支えた森林鉄道遺構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
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29.旧魚梁瀬森林鉄道施設堀ヶ生橋(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ ほりがをばし)
堀ヶ生隧道に隣接し、奈半利川を渡る無筋コンクリートの充腹式単アーチ橋です。昭和16年に建造され、当時としては我が国最大級を誇りました。橋の両側に待機所、中央には台形平面のバルコニーがあり、当時の森林鉄道の情景を偲ばせます。
国指定重要文化財(建造物)
近代化産業遺産群 -
30.旧魚梁瀬森林鉄道施設二股橋(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ ふたまたばし)
昭和15年建設。ゆずロード上にある我が国最大級の無筋コンクリート造橋です。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交流を生み、暮らしを支えた森林鉄道遺構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
近代化産業遺産群 -
31.旧魚梁瀬森林鉄道施設小島橋(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ こしまばし)
奈半利川本流を渡るためにつくられた単線仕様の鋼トラス橋で、昭和7年に建造されました。橋長約143メートルと、中芸地区の森林鉄道では最大の規模です。トラス橋とガーダー橋が組み合わせた堂々とした構えは、遠目からでも見映えがします。
国指定重要文化財(建造物)
近代化産業遺産群 -
32.旧魚梁瀬森林鉄道施設立岡二号桟道(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ たちおかにごうさんどう)
立岡分岐から奈半利貯木場に向かう桟道で、昭和8年に建造された石積高架と10連のコンクリートガーダー橋です。今は川岸や川の中の橋台と、2連目までのトラスを載せた橋脚が3基残存しますが、当時、県内最高技術で建設されたと評判でした。
国指定重要文化財(建造物)
近代化産業遺産群 -
33.旧魚梁瀬森林鉄道施設八幡山跨線橋(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ はちまんやまこせんきょう)
昭和8年建設。田野町の八幡神社の参道としてつくられた跨線橋。ゆずロード上にあります。 中芸地域の林業を支え、沿線の人びとの交流を生み、暮らしを支えた森林鉄道遺構群のひとつです。
国指定重要文化財(建造物)
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34.旧魚梁瀬森林鉄道施設法恩寺跨線橋(きゅうやなせしんりんてつどうしせつ ほうおんじこせんきょう)
奈半利貯木場の西側、旧街道の北側に位置し、三光院より旧街道へ至る石造アーチ橋(跨線橋)です。森林鉄道を通す際に三光院の高台の斜面を切り崩し、跨線橋が参道の役割をしました。昭和8年、立岡~奈半利線の開通に合わせて建造されました。
国指定重要文化財(建造物)
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35.支線跡遺構群(しせんあといこうぐん)
橋台、木橋、鉄道敷など、林業盛時を偲ばせる遺構群。探索ツアーなどに活用されています。 支線跡遺構は、中芸地域全域に点在します。
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36.旧馬路営林署(きゅううまじえいりんしょ)
旧馬路営林署の建物は、ゆず産業を牽引してきた馬路村農業協同組の本所として現在も活用されています。 隣接する敷地にあるゆず加工場では、年間を通じて、工場見学を受け入れています。
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37.野村式機関車(動態展示)(のむらしききかんしゃ)
昭和期の森林鉄道で、木材の大量輸送に大きく貢献したのが野村式機関車です。その野村式L69号機関車を修復し、馬路村魚梁瀬丸山公園に動態展示しました。日曜・祝日には体験乗車ができます。
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38.寺田文庫(てらだぶんこ)
寺田正氏撮影による、昭和期の森林鉄道 稼働時期の貴重な写真です(高知市立市民図 書館所蔵)。
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39.四国森林管理局保存の大正〜昭和初期の林業関係写真
創設期の貴重な写真を多く含む森林鉄道関係の写真群。 林業遺産(日本森林学会)に認定されています。
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40.岡御殿(おかごてん)
近世の豪商田野五人衆の岡家により、藩主宿泊所として天保15年に建てられ、材木業や回船業で名を馳せた岡家は、御用銀の調達などで土佐藩とも関係が深く、岡家に関係する史料が展示されています。
高知県保護有形文化財(建造物)
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41.濵川家住宅 蔵・離れ
濱川家は、藩政末期、明治期は回船業、木材業として栄え、大正期には酒造業(金水酒造)を営まれていました。 蔵は、桁行10間梁間3間、東西棟、切妻造の入口部を下屋を差し掛けています。軒下の高い位置に窓を並べ、当地方特有の土佐漆喰塗壁に水切瓦を廻して長大な壁面をつくっています。離れは、桁行4間半梁間2間半規模、寄棟造、桟瓦葺で、3面に下屋を廻し、東面南寄りに入母屋造の玄関を突出させています。10畳と8畳の座敷を南北に並べ、南面に緑側を付けています。もとの別荘を昭和7年主屋として現在地に移築と伝わっています。
国登録有形文化財(建造物)
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42.南商店店舗兼主屋 外塀・内塀
林業盛時に繁栄した中芸地域海岸部安田町を代表する商家建築。 土佐漆喰、水切り瓦を見ることができます。
国登録有形文化財(建造物)
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43.旧柏原家住宅主屋及び離れ・表門東土塀及び西土塀
林業盛時を彷彿とさせる地元産の良材がふんだんに用いられた和風建築で、土塀は土佐漆喰で塗られています。 現在は、安田まちなみ交流館・和として企画展の開催や講座等に利用されています。
国登録有形文化財(建造物)
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44.旧市川医院
天井板などに、現代では入手困難な地元産の良材が使われています。 安田まちなみ交流館・和の展示スペースとして活用され、郷土史などをテーマとする企画展が行われています。
国登録有形文化財(建造物)
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45.竹﨑家住宅〈高田屋(たかだや)〉主屋・離れ・蔵
竹﨑家の店舗兼住宅で、母屋は、平屋建商家建築の一事例。 蔵は土佐漆喰壁に水切瓦を付けるなど当地方土蔵建築の特色を伝えています。 林業と回船業で栄えた奈半利町を代表する建築。現在土蔵は、 郷土資料の展示スペースとして活用されています。
国登録有形文化財(建造物)
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46.森家住宅〈旧野村茂久馬邸(きゅうのむらもくまてい))〉主屋・蔵・西石塀・南石塀・東石塀
土佐の交通王とされる野村茂久馬の邸宅。 主屋、蔵には土佐漆喰、水切り瓦が見られ、西、南、東の壁は「いしぐろ」 塀となっています。 林業と回船業で栄えた奈半利町を代表する建築です。
国登録有形文化財(建造物)
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47.濱田典彌家住宅(はまだのりひろけじゅうたく)主屋・かま屋・米あずかり場・土蔵・石垣塀
林業盛時、関西地方に材木運ぶ拠点として栄えた奈半利町には、豪商が軒を連ねた時代の面影が残っています。 濱田典彌家住宅は、その代表的な建築で、土佐漆喰の土蔵などが見られます。
国登録有形文化財(建造物)
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48.星神社のお弓祭り(ほしじんじゃのおゆみまつり)
集落から選ばれ、からだを清めた12人の射手が、弓を射かけて五穀豊穣を祈願する祭りです。神事の後の共食では、ゆず寿司など、ゆずをふんだんに使った料理が振る舞われます。
高知県保護無形民俗文化財